人生の羅針盤を

現代の科学文明は急速な進歩を遂げ、私たちの生活様式は昔では考えられなかったほど便利なものになりました。しかしその反面、失業や家庭不和、青少年の非行など、現代人の抱える問題はますます多様化し、その苦悩はいっそう深くなっています。

また通信技術の発達によって、私たちは瞬時に全世界の情報や知識を得ることができ、居ながらにして地球の隅々の人と対話ができる時代になっています。にもかかわらず世界の各地で民族間の対立や領土問題・宗教紛争などによる愚かしい争いがあとを絶たないのはどうしたことなのでしょうか。

これは、機械・技術であれ、情報・知識であれ、すべて人間から生みだされたものであり、これらが正しく用いられるか否かは「人間の心による」ことを物語っています。

このゆえに近年、多くの識者が「21世紀は心の時代」といっています。

人間の心を正しくリードするためには、人間の生命全体を根底から解明しつくした智慧と、的確な指標を規範としなければなりません。

仏教とは

仏教は、人間の心のみならず、生命全体の実相を深く観達した仏の教えであり、現実に生きている人々に対して、人間はいかに生きるべきかという根本的命題を説き明かしたものです。

現代のほとんどの人が、仏教は葬儀や法事のためのものとか、寺院は伽藍を誇示し歴史的遺物を保管しているところ、あるいは静寂な雰囲気によって心を癒す場所などと認識していますが、これらの見方は仏教本来の精神から外れたものです。

釈尊が説かれた膨大な経典の中で、人間の生命を正しく説き明かし、絶対的幸せの境涯(成仏)への道を示した教えが法華経です。この法華経の真髄たる南無妙法蓮華経(なんみょうほうれんげきょう)をもって、末法という濁悪の時代の人々を根本から救うべく出現されたのが日蓮大聖人(にちれんだいしょうにん)であり、その教えを正しく受け継ぎ、真の個人の幸福と世界の平和実現のために正法を弘め、信仰を実践しているのが日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)です。

法灯700年の清流

日蓮大聖人は、2度の流罪など多くの法難(迫害)に遇いながらも、法華経(ほけきょう)の肝心である南無妙法蓮華経を弘め、弘安2年(1279年)10月12日、信仰の根本対象である本門戒壇(ほんもんかいだん)大御本尊(だいごほんぞん)を建立されました。

そしてその後、日興上人(にっこうしょうにん)を第2祖と定め、仏法の一切を付嘱(相伝)して、同5年10月13日、61歳をもって入滅(にゅうめつ)されました。

日蓮大聖人の入滅後、身延の地頭・波木井実長(はきりさねなが)が、仏法に違背する行為を重ねたため、日興上人は正応2年(1289年)の春、本門戒壇の大御本尊をはじめ一切の重宝をお持ちして、門弟とともに身延を離れ、翌正応3年10月、南条時光殿の寄進により、富士上野の地に大石寺(たいせきじ)を建立しました。

以来700有余年、日蓮大聖人の仏法は、日蓮正宗総本山大石寺に正しく伝えられています。

歓喜と感謝に満ちた人生を築くために

日蓮大聖人は、信仰をたもつ信徒に、

「法華経を信ずる人は冬のごとし、冬は必ず春となる」

(御書832㌻)

と教えられています。

これは、どんなに苦しい状況にあっても、妙法を信じていくならば必ず幸せになれる、と励まされたお言葉です。

因果の道理をもととした正しい信仰によって、健全な生命が確立します。深い智慧(ちえ)と強い心を養うことによって、真実の幸福がもたらされます。

どのようなことにも、けっして揺らぐことのない安穏(あんのん)な境涯、それが真実の幸福です。日蓮大聖人の教えを信仰・実践して、多くの人々が苦難を乗り越え、歓喜と感謝に満ちた日々を過ごしています。

限りある人生、かけがえのない尊い一生です。

日蓮大聖人はすべての人々を救うために、南無妙法蓮華経の教えを打ち立てられました。仏様の真実の言葉に耳を傾けてみませんか。

いつでもあなたをお待ちしております。

【本文出典】『日蓮正宗リーフレット』『日蓮正宗入門』(日蓮正宗宗務院)

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